今年もありがとうございました。

今年最後の安全教室は、文京区立大塚児童館での「駆け込み&体験型安全教室」でした(写真)。今回は児童館の先生が、保護者の方や、民生委員の方を集めてくださり、その方々が先生や不審者役をやってくださいました。実際に路上での声掛け、20メートル逃げるなどの練習を行いました。

 事前の準備から事後の効果測定まで、地域で、地域の子どもたちに安全を教えることの定着化を試みてくださっている児童館の先生に心から感謝申し上げます。

 じつはこの先生は、私の子どもたちが幼稚園に入る前にとてもお世話になった恩師です。私も母親として子どもへの接し方をたくさん教えていただきました。自分の地元で、お世話になった先生に、またこのような形で関わっていただける巡り合わせにも感謝しています。

 来年は、色々な自治体で、体験型安全教育をわが地域でもということが始まります。私も末端でかかわらせていただくところもありますが、やはりその地域にあったやり方があります。犯罪防止は地域の文化にあった方法でなければ長続きしない、と思っています。

 地域文化とともに、いのちを守るための教育を根気よく行っていくということは、どれだけ命や地域の未来に本気で関わろうとしているのかが試されるものだと思います。

 もちろん、ボランティアはその場その時その人ができることを、が基本ですが、教育ボランティアの核となる人に関しては、知識と知恵、根気、などとともに、10年先を見る目、決して絶望しない、あきらめない心根を持っているか、そして地域や子どもへの愛、が問われるものじゃないかな、と思っています。

 これは、今年各地でお会いしたボランティアの方々から学んだことでもあり、自分たちがやっていていつも反省することでもあります。その場その場だけの対蹠的な治療・教育になっていないか、街づくり、人づくりの礎となっているか、ときどきふりかえりつつ私はまだまだだなあ、、の繰り返しです。

 今年は13歳以下の連れ去り事件が9年ぶりに100件を越し、振り込め詐欺などご高齢の方の犯罪被害も増えました。「あの時なんでもっと頑張ってくれなかったの?」と未来の子どもたちに言われないよう、来年もちょっと自分の限界を超えるつもりで、精進していく所存です。

 今年も、本当に色々な方々に多大なるご協力をいただきました。ありがとうございました。来年も皆様にとって素敵な年になりますように。2015年もよろしくお願いいたします。

 代表 清永奈穂

子どもの連れ去り事件、今年は100件にもなってしまいました。私たちはどうしたらよいか。必要なことは発達段階に沿った、科学的な根拠を基にする安全教育の実施です。


13歳未満の連れ去り事件が今年は100件に上ることがわかりました。私たちはどうしたらよいのか。いくつも防ぐ方法はありますが、まずは自分で自分を守る力をつけるということが大切だと思います。今日からでもできることを、ご家庭や学校でぜひ、少しでよいのでやってみていただければとおもいます。こちらのサイトに、プログラムをまとめていただいています。お子さんのいる方、地域でぜひ、試みていただければ幸いです。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141211-00000034-asahi-soci

子どもを守るための地域の取り組み(静岡や福岡から)


色々あった先週の締めくくりは、福岡での安全安心まちづくり交流会でした。午前中の交流会では、参加者の方々に、子どもへの体験型安全教室の内容を(無理矢理)体験していただき、実際に子どもたちに伝えてほしいことをお話ししました。



 子どもに伝えるには、じつは、よくよく理論がわかっていないと、おざなりな授業になってしまいます。なので、本当は、もっと丁寧に講義をしたかったのですが、時間が短く申し訳ございませんでした。



 私がよく通っている静岡の皆さんによる授業を、全国の方にも見てい
ただきたいなとつくづく思います。皆さんかなり勉強を繰り返し、子どもたちの前で失敗をしながら恥じもかきながら、精一杯、授業をしてくださっています。

 簡単に上手にはできるものではないのですが、あきらめず、理想を持ちながら精進されている姿は、全国の防犯ボランティアの方々を力づけると思います。

 クローズアップ現代では、「質問を待たずにどんどんお話し下さい」という国谷さんのやさしさに甘え、勢い込んで突っ走ってしゃべってしまいました。お聞き苦しく、よくわからないこともあったと思います。伝えたかったことを的確に伝えるのは難しい、とつくづく感じました。静岡に関しても、もっとお話ししたかったのですが、静岡の皆様ごめんなさい。

 防犯まちづくりは結局人づくりだと思います。福岡では、人を育てていきたい、というお気持ちが沢山あることがわかりました。これからの福岡の街づくりに希望が湧いた土曜日でした。

 写真は、静岡の東部の防犯まちづくりアドバイザーの方が制作したセット。コンパクトに持ち運べるように工夫されています。

子どもをどうまもるか?

27日土曜日は、磐田市で「あぶトレ」がありました。防犯まちづくりアドバイザーの方々が、先生として授業を行いました。今日は、東岩槻で、親子防犯教室があり、私たちが参りました。今日の1,2年生は、本当に一生懸命、自分で「こんなときどうしたらいいかな?」と考えて、練習してくれました。保護者の皆さんも、一生懸命走ったり、噛みつかれる役をしてくださいました。

事件の後、どうしたらよいか不安に思う保護者の方が多いと思います。その気持ちを反映してか、教室に参加してくださる保護者の方も増えています。今日も予定よりもずいぶん多くの方が来てくださいました。

今日は、岩槻区役所がコーディネートしてくださった教室でした、岩槻区、防犯協会、PTA,学校、近隣の方が一堂に会して行いました。子どもの安全とは、どこかの誰かがどうにかしてくれるもの、ではない、改めてそう思います。

いったいどうして今、子どもへの犯罪が起きているのか、なぜ簡単に起こるのか、ではどうすればよいのか、これからどうなるのか、といったことについて、お話しさせていただく機会をいただきました。10月1日(水)、NHK クローズアップ現代でお伝えします。もしお時間がございましたら、ご覧いただければ幸いです

あきらめてはいけない。子どもは無力ではない。体験しながら学ぶ自助力。

松戸で、連れ去り未遂事件が起きました、しかし、女子児童にけがはなく、叫んで逃げたため男は車に乗って逃走しました。県警によると、女の子が学校のプールの授業に向かう途中、男が待ち伏せし、無言で女子児童のほほを両手で触るなどしたということです。近くにはドアの開いた黒色のワゴン車があり、連れ去られると感じた女子児童は叫んでその場から逃げました。男はそのまま車に乗り、東方向に逃走したということです。子どもは、無力ではなく、力の限り抵抗することができます。知恵を働かせ、勇気をだし、声を上げて逃げる。。この女の子は素晴らしい、と思いました。どの子でも、このようなことができる様、体験型の安全教育を広めていきたい、そう思います。

通学路の安全

見通しがよくても犯罪者にとって「近づきやすい」「逃げやすい」と思わせたら犯罪は起こる
見通しがよくても犯罪者にとって「近づきやすい」「逃げやすい」と思わせたら犯罪は起こる

今市の事件の犯人逮捕により、通学路の安全が今また問われています。

 犯罪者は情報を集め、どこで、どのような手口を使い、どんな子を獲物として狙うかを定めてきます。

 ちょっとした瞬間に、思いもよらないところから犯罪者が忍び寄ってきてしまったら、子どもは何も対処できない。これは、私たちが2007年と、2010年に行った子ども犯罪被害実態調査でも明らかになっています。「その時何もできなかった」という子どもは20%、声も出せず、走れず、悲しくつらい思いをした子供たちが沢山いるということです。その一方で、パトロールも疲労してきています。もちろん毎日雨が降っても雪が降ってもパトロールしてくださる方がいる。もちろん誰かが見てくださることはとても大事なことです。しかし無理に動員しても、それは、不満がたまり長続きはしません。

 だからといって、このままでよいのか。そうではない、と思います。

 

 これらを解決するには、地域と、家庭と、保護者、警察、学校が一体になって対処していく必要があります。そうでなければまた次の子どもが狙われることになってしまう。実際、子どもへの犯罪は今、増えてきています。

 事件を防ぐ方法としては、

1.前兆をつかむ、

犯罪は、突然起こるのではなく、「前兆」があります。「そういえば」ということが事件が起きた後には必ずある。それをいかにつかむか。犯罪者との戦いは情報戦です。

6.3.2の兆候をつかむこと。

2.犯罪は、犯罪者にとって「近づきやすく、逃げやすく、犯罪者にとっていいな、」という場所で起こる、ということをしっかりととらえること。決して「入りやすくて見えにくい」ではない。これはほんの一部。そして、安全マップを作るなら、季節によって作り変えること。景色は四季でかわってしまう。そして、マップを作って終わりではなく、危ない場所をどう変えて行けるか、まで考えること。

3.子ども自身に自助・共助・公助の力(安全基礎体力)をつける

 子どもは守られるだけでなく、自分で守る力を「体験的に」身につけさせること。危機に際して大人としての振る舞いのできる子どもに、育てること。危機に面した時、的確な判断ができ、それを実行に移せるような心の発達を促すこと。人間を育てる教育が安全教育であること。

4.「この地域では犯罪は起こさせないぞ」という市民の意識=’マイシティ’、という力を醸造させること。

5.地域を汚れたものにしない。

(参考 「犯罪からの子どもの安全を科学する」(ミネルヴァ書房)、「犯罪と地震から子どもの命を守る」(小学館))

 事件が起きたときは、地域を見直すチャンスです。もういちど、なぜ起きたのか振り返り、二度と起きないようにスクラムを組んで、地域への思いを新たに一歩踏み出させるチャンスです。犯罪者に負けない地域づくりに、地域単位で取り組んでいきましょう。

相模原、札幌の女児連れ去り事件

ゴミ捨てなどのルールが守られているかも日ごろからチェックしましょう。
ゴミ捨てなどのルールが守られているかも日ごろからチェックしましょう。

相模原、札幌でこの2か月の間に次々と子どもの連れ去り事件が起きました。

子どもがこのような被害に遭うことは決して許してはいけないことです。

 実は、子どもが被害に遭う背景には、前兆があることが多々あります。子どもの事件の後に必ずと言って聞く「そういえば」。「そういえば」とあとから嘆くのではなく、情報を集め、前兆をつかみ防ぐ努力をしなければ、子どもたちを守ることは難しいということを、皆さんに知っていただきたいと思います。

 「6・3・2の法則」というものがあります。事件を分析していったところ、私たちが編み出したのがこの法則です。半年に6回、不審な情報があれば、「この地域は汚れてきている」と地域に注意を向け、改善に努めること。

1か月に3回不審情報があれば「かなり危ない」黄色信号だと思ってください。この時には、パトロールだけでなく、子どもにももう一度自助の力をつけるべく体験型安全教育を行う事。

一週間に2回、不審者情報があれば、もうこれはいつ子供が犠牲になる事件が起きてもおかしくないと思ってください。この段階になったら、街のみんなで不審なもの、いつもと違う車・人に目を向け、パトロールをし、子ども自身も自分のため、友達の為に頑張ること。

 子どもが狙われることはとても悲しいことです。取り返しのつかないことにならないよう、情報をしっかり集め、回避・対峙していくことを忘れてはいけないのです。

前兆をつかみ、子どもの事件を防ぐ!

子どもが突然行方不明になる、という事件が絶えません。特に最近立て続けに起きているような印象を受けます。子どもが被害に遭うことは決して許してはいけないことです。

 実は、子どもが被害に遭う背景には、前兆があることが多々あります。子どもの事件の後に必ずと言って聞く「そういえば」。「そういえば」とあとから嘆くのではなく、情報を集め、前兆をつかみ防ぐ努力をしなければ、子どもたちを守ることは難しいということを、皆さんに知っていただきたいと思います。

 「6・3・2の法則」というものがあります。事件を分析していったところ、私たちが編み出したのがこの法則です。半年に6回、不審な情報があれば、「この地域は汚れてきている」と地域に注意を向け、改善に努めること。1か月に3回不審情報があれば「かなり危ない」黄色信号だと思ってください。この時には、パトロールだけでなく、子どもにももう一度自助の力をつけるべく体験型安全教育を行う事。一週間に2回、不審者情報があれば、もうこれはいつ子供が犠牲になる事件が起きてもおかしくないと思ってください。この段階になったら、街のみんなで不審なもの、いつもと違う車・人に目を向け、パトロールをし、子ども自身も自分のため、友達の為に頑張ること。

 子どもが狙われることはとても悲しいことです。取り返しのつかないことにならないよう、情報をしっかり集め、回避・対峙していくことを忘れてはいけないのです。