3月5日 高学年女子のための安全教室

小学校5,6年生を対象とした、高学年女子のための安全教室が、目白台交流会館で行われました。

三重の事件の犯人が捕まった直後だったので、子どもたちと事件について改めて話しながら、怖いことは誰にでも起きる可能性はあるが、最後は自分で自分を守るんだ、と確認しあいました。

「私はこわいことがあったら、まだまだあんなこともこんなこともしてないから、死ねない!死ぬわけにはいかない!と思って頑張る!」

「何を優先しなければならないか、その時その時でちゃんと考えられるようにする」

などなど、終わった後の感想で、こちらが「へー、すごいな」と感心する言葉が次々でてきました。

自分の命よりも大切なものはない、という言葉もきれいごとではなく、自然に出てきました。

実は、高学年対象にもかかわらず、保護者の方も参加してくださり、どんなに大きくなっても、心配だし大事なわが子だ、ということもお話しいただいたので、自分の命の大切さを、あらためて子どもたちもぉ感じてくれたようです。

被疑者は捕まってよかったのですが、捕まってもなお、解決していないような気がしてなりません。何度も現場に行ったので思い入れが深いからかもしれませんが、とてもざらざらした気分が残ります。

あの夜道を、スーパーからつけて行って、隙を狙って一人で襲ったのか。だとしたら彼女は何ができただろう。いろいろ考えてしまいます。

未来ある子どもの命が奪われる、また、未来ある若者が「社会への復習」と称してやぶれかぶれに一線を越えてしまう、その様な事件が連続しています。

加害者にならないためにも、被害者にならないためにも、教育が、ますます大切になってきていると思います。

(清永)

中央区での体験型安全教室

昨日、中央区の浜町スポーツセンターで、「親子で防犯防災 1・2・3!」が行われました。1歳から6歳まで、親子でご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。

 お手伝いいただいたボランティアの方々、中央区社会福祉協議会の方々、そして車いすで参加くださった方、感謝申し上げます。

 最後に、車いすの人がいたら地震の時にどうやってにげたらよいか、いつもボランティアをされている方から教えていただきました。

 まず、大きな声で「ここに車いすの人がいます!助けてください!3人くらい来てください!」と叫びます。そして、ブレーキを引き、横と後ろについて、車いすを持ち上げます。

 もし、車いすが重かったら、車いすの人に手助けをして一緒に歩くのですが、そのときに必ず、「どうしたらよいのか、どうしてほしいのか」を聞くことが大事だと教わりました。

 無理やり抱っこしたりおんぶしたりせず、如何してほしいのか聞き、それから手を添えることが大切だそうです。

 また、小さい子ども連れの場合、子どもを車いすの方に抱っこしてもらって避難する、ということもできるそうです。

 昨日は実際に車いすがあったので、お父さん、お母さんに体験もしていただきました。

 自信についても犯罪についても、子どもから、大人まで楽しみながら体を動かし充実した時間になったのではないかなあ、と思います。

 またまた写真が取れなかったのですが、近日中に、中央区のサイトで見れるようになるそうです。そのときにはまたご案内します。

 写真は、別の講座の写真ですが、ガラスを踏まずに逃げる練習をしているところです。

3月11日 0,1,2歳からの安全教育

昨日は、杉並区天沼児童館で、0,1,2歳のお子さんをお持ちのお母さん、お父さん対象に、「0歳からの安全教育」についてお話ししました。

 いったいゼロ歳からって、なにやるの?という疑問を抱きつつも参加してくださったお母様、ありがとうございました。

 子どもたちも一緒に参加だったので、しかもまだヨチヨチ歩きの子どもたちなので、まさかのロケットダッシュなどはもちろんやらず、読み聞かせ、紙芝居、パネルシアターなど入れつつ、その合間にお母さんたちにお話しする、という感じで行いました。

 先日、ロンドン大学で、「4歳までにしっかりお母さんの話を聞く、我慢する、ということができていないと、その後どんなにしつけをしようとしても身について行かない」という研究結果が出ました。

 日本でも、実は同じような研究を私たちもしており、やっぱり、と思った次第です。

 ずいぶん前になりますが、特別顧問の清永賢二が、非行少年の生育歴を調べたところ、お母さんとのアタッチメントの質と量が少なく、お父さんにちゃんと叱られなければならないときに叱られてない子どもが、中学になって非行にはしる傾向にある、ということがわかりました。

 また、海外で、特にアメリカでは、非行少年の更生施設で、「待つ」つまり「我慢する」教育を徹底して再教育する、ということも、現場も見てきました。

 しっかり見る、ちゃんと聞く、待つ、ということは、小さい頃の生活で、十分身につけることができます。

 たとえば、「ご飯はみんなが座ってから食べる」、「あと3回ブランコに乗ったらおうちに帰ろうね」など、少しずつ家族のお約束やルールを覚え守ること。

お母さんのお膝でご本を読んでもらう心地よさを味わいながらしっかりお話を聞くことを体得する、など、実は普通の生活の中で、子どもたちは大事なことを学んでいます。

 この基本的な生活の積み重ねがやがて、加害者にもならない、被害にも遭いにくい安全基礎体力につながると思います。

 昨日は、なにはともあれ子どもと目を見てお話しし、子どもとゆっくり遊び、子どもとお散歩し、おいしいご飯をしっかりたべる、ということが、犯罪から子どもを守る大事な第一歩です、というお話をしました。

 1,2,3歳の時は、一番大変な時かもしれませんが、後から考えると、実に尊い時間でした(自分の体験から)。本当にかわいい時期ですよね、慈しんであげてほしい、と思いました。

 写真は、幼稚園で防犯ブザーの鳴らし方を教えているところです。防犯ブザーを鳴らしたり、声を出したり、ということも、幼児の時に、大事にみんなに見守られてる、という気持ちが育っていないと、できないのです。

3月6日 王禅寺中央小学校での安全教室

3月6日は、川崎市にある王禅寺中央小学校で小学1年生を対象に安全教室を行いました。この学校で授業をさせていただくのは二年目です。今回は、授業の後、子どもたちからたくさん質問をいただきました。

 

 「ぐいぐい知らない人にひっぱられたら、どうしたらいいの?」

 「追いかけてくる人が、すごく走るのが速い人だったら、どうしたらいいの?」

 やってみると、意外と難しい、ということが分かった子どもたちは、あらためて自分のこととして、考えてくれたようです。

そういう子には、もういちど、噛みつく練習や、駆け込む練習などしました。すると「ちょっと自信が出た!」といってくれたり、「ちょっとがんばってみる」と言ってくれました。

 前日は6年生、翌日は1年生と、連日色々な学年に教えていますが、いくつでも子供はかわいいものですね。

 明日は、年長さんに安全教室です。

次世代防犯ボランティア養成講座

今週末は、名古屋で、全国防犯協会連合会主催、「次世代防犯ボランティアリーダー養成講座中部管区研修会」が開催されます。

昨年から全国で開催されてきたこの研修会も、名古屋で最後になります。

今回は、3時間みっちり、机無しで、参加体験型研修会にする予定です。

 子どもへの犯罪も、特殊詐欺などの犯罪も、頭では「まさか私は被害に遭うことはない」「もし万が一被害にあっても、こういう時は、こうする!」と思っている方が多いとおもいます。しかし、いざ被害に遭うと、体も動かず、口も手も動かず被害に遭ってしまう、ということが実は多いのです。

 その頭と体の乖離を解消し、とっさの行動につなげるもの、それが体験型の安全教育です。いま、この体験学習が全国で、子どもだけでなくあらゆる人に求められています。

 

 ただ、その際に注意しなければならないのが、単なる「経験(体験)主義」に陥ってしまってはいけない、という事。

 とにかく体験、ではやはり破れかぶれの戦法になってしまいます。

 そこで、体験型安全教育に必要なのが、以下の4つの視点です。

 1.座学+体験+座学のサンドウィッチ形式であること

 2.発達段階に沿った内容であること

 3.科学的見地に基づくプログラムであること

 4.地域の実情にあった内容であること

 以上の4つを踏まえた上での体験型安全教育を、地域でどのように行えばよいのか、研修では、参加者の皆さんに体験していただきながら行います。

 その前に明日は、江東区の小学校で、大学生たちと一緒に体験型安全教室を行ってきます。

 この小学校は、お母さん方が気合が入っており、「2時間続けて安全教育を行ってほしい。座学と体験両方とも!」ということで、PTAで呼んでくださいました。

 

 お手伝いしてくださる大学生は、普段、子どもたちとかかわるサークル(土曜日などに子どもと一緒に遊ぶサークル)に入っている学生さんたちです。「防犯・防災」とは今まで全くかかわりがなかったのですが、私たちが、講師養成講座にお誘いしたところ、「面白そう」と参加してくださいました。

 若い人たちを育てつつ、地域で体験学習を行っていくことは、とても未来に希望が持てることだと思っています。

 明日の結果はまたご報告します。

(写真は、静岡のボランティアの方々が、地域の小学校で体験型安全教育を行っているところです)

小学1年生対象の体験型安全教室、2時間バージョンを行いました。

今週水曜日、江戸川区の船堀にある小学校で、体験型安全教室を1年生対象(120名)に行いました。

 1,2組を1,2時間目に、3,4組を3,4時間目にと、クラスを分けて、念入りに二時間続けるコースで授業を行いました。

 1時間目は、危ない人「はちみつじまん」と怪しい場所「ひまわり」についてお話しし、それから「きっぱり断る」練習を一人一回ずつ全員練習しました。

 2時間目は、大声、防犯ブザー、走る、ジタバタ、カム、ロケットダッシュを、これも一人一回ずつ全員行うことができました。

 120名の子どもたちが、全員、全プログラムを一人ずつ体験できることは非常に珍しく、これも、保護者の皆様のご協力のお蔭です。(参加してくださった保護者の皆様が、全員、一対一で子どもを全速力で走って追いかけてくださいました!)

 保護者の方と追いかけっこしながら捕まったらどうするか?いままで習ったことを自分で考えて実践している子どもたちを見て、少しずつ、危機回避能力が高まっていくのを感じました。

 今回お手伝いに参加してくれた大学生も、「すごく、面白かったです!」とすがすがしく!感想を述べてくれました。

 彼らは体験型安全教育教師養成講座から参加してくださったのですが、それでも「座学で習うのと、実際に授業に参加するのとでは全然違う」と言っていました。

 子どもと実際に体験しながら学ぶことで、大人もたくさんのことを吸収できます。ぜひ、できるかぎり保護者の皆さんや、若い指導者を含めた体験教室、広がっていけばと思っています。

相模原、札幌の女児連れ去り事件

ゴミ捨てなどのルールが守られているかも日ごろからチェックしましょう。
ゴミ捨てなどのルールが守られているかも日ごろからチェックしましょう。

相模原、札幌でこの2か月の間に次々と子どもの連れ去り事件が起きました。

子どもがこのような被害に遭うことは決して許してはいけないことです。

 実は、子どもが被害に遭う背景には、前兆があることが多々あります。子どもの事件の後に必ずと言って聞く「そういえば」。「そういえば」とあとから嘆くのではなく、情報を集め、前兆をつかみ防ぐ努力をしなければ、子どもたちを守ることは難しいということを、皆さんに知っていただきたいと思います。

 「6・3・2の法則」というものがあります。事件を分析していったところ、私たちが編み出したのがこの法則です。半年に6回、不審な情報があれば、「この地域は汚れてきている」と地域に注意を向け、改善に努めること。

1か月に3回不審情報があれば「かなり危ない」黄色信号だと思ってください。この時には、パトロールだけでなく、子どもにももう一度自助の力をつけるべく体験型安全教育を行う事。

一週間に2回、不審者情報があれば、もうこれはいつ子供が犠牲になる事件が起きてもおかしくないと思ってください。この段階になったら、街のみんなで不審なもの、いつもと違う車・人に目を向け、パトロールをし、子ども自身も自分のため、友達の為に頑張ること。

 子どもが狙われることはとても悲しいことです。取り返しのつかないことにならないよう、情報をしっかり集め、回避・対峙していくことを忘れてはいけないのです。