地震からの体験型安全教育プログラム
子どもの安全問題にとって、近い将来に必ず来るといわれている「大地震」からいかに安全を確保するかは、極めて重要な緊急課題です。日本列島は世界的に見ても地震の多い地域に位置しており、日本国中、どこでも誰でも「大地震」に遭遇する事はあり得るのです。過去の幾多の被災経験からこれまでも様々な避難訓練・方法が生まれ、また伝えられてきました。しかし、子どもの避難訓練に関しては学校などの集団生活の場所での避難(先生など指導者がいて、指示に従いながらの避難を想定とする訓練)を前提として訓練が行われています。私たち体験型安全教育支援機構は、こうした従来型の避難訓練から一歩踏み出し、子ども自身が、正しい知識をもとに地震に立ち向かい、「生きる」こと、そして「生き続ける」こと、さらには「安心安全な生活を取り戻すこと」を目指す力をつける事を目的にしています。
5分8秒を生き残るためのプログラムとは
いわゆる「大地震(震度5以上)」は、揺れ始め→(本格化)→大揺れの揺れ→揺れの収まり、と続きます。私たちは、1983年5月の日本海中部地震をはじめ、阪神淡路大震災、東日本大震災での調査を基に、この「大揺れ」を含む揺れは、短い場合で数十秒から長く場合は5分から6分間程度と想定しました。しかし、1995年の阪神淡路大震災では10歳以下の子ども達が569人も亡くなり、そのほぼ四分の三が最初のわずか12秒間の大揺れの被害でその貴重な命を落としたことが分かっています。このことからも、「大揺れ」の前の「揺れ始め」(時間にすると1秒から8秒程度)での正しい行動が、命を守る第一歩という事が良くわかります。
当講座プログラムは、このような過去の大地震の実際のデータを基に、平井邦彦長岡造形大学名誉教授、清永賢二元日本女子大学教授をはじめとする専門家の監修により作成されました。
どこで被災しても、一人だったとしても、「揺れ始め」の短い時間で正しく判断し、子ども自身がいかに「自分の力でしのいで生き残り、生き続けるか」という点に着目してプログラムを作成しています。
プログラムの内容
当プログラムでは、座学で知識だけを入れるのではなく、身近な物を使って「体験」することを大切にしています。
例えば・・・
① 「揺れ始めの8秒間を体感する」・・その空間での安全な場所を判断し、揺れに備えた姿勢をとる練習
② 安全確保の基本姿勢の練習
③ 障害物を避けて避難する練習
④ 暗く、狭い場所を避難する練習 等
地震が起きたときの「コアラのポーズ」
受講者の年齢や開催場所も考慮し、年齢に応じた内容を工夫して、理解・習得ができるように努めています。
受講者の声
実際に受講された方からは、
- 命を守るための「カメ」「ウサギ」「コアラ」のポーズを知ることができて良かった(小3女子)
- 机の脚を斜めにもつ、というのは初めて知った。せっかく潜った机が倒れないように、次はこうやって持ってみたい(小1男子)
- 子どもたちと、通学路の点検をしようと思った。チェックリストはありがたい(保護者)
- 地震が起きたその時に、ともかく命を守るための訓練、というのは初めてしたが、とても重要だと思った(文京区内学童クラブ指導員)
- 子どもたちが、体で覚えることができ、このプログラムはとても良いと思った(板橋区内幼稚園教諭)
- 自助、共助の要素が入っていてとても良い(群馬県内伊勢崎市教育委員会)
という声も多数寄せられています。
講座へのお問い合わせは
info@safety-education.org まで。