昨日、栃木県防犯リーダー養成講座で講義を行ってまいりました。練馬事件の翌日でもあり、参加者の皆さんは真剣に耳を傾けてくださいました。子どもの安全確保をするには、どうしたらよいのか、昨日のような事件を起こさせないためには何ができるのか、考えながら講義を進めてまいりました。
今回事件では、見守ってくださっていた交通指導員の方が身を挺して子どもたちを守ってくださいました。怖かったことともいますが、子どものためを思って勇気ある行動をしてくださいました。指導員の方の行動は、事件があれ以上悲惨なものにならずに済むための抑止効果があった、と思います。本当に頭が下がります。
しかし、それでよいのでしょうか。大人が命を懸けて子どもを守ってくれるのであれば、子どもも、自分で頑張る力をつけていくことが必要ではないでしょうか。自分で守る力が弱いうちは守っていただく部分が多くてよいのですが、だんだんと自助から共助へと力を蓄え、一緒に街を安全にする大人に育っていかなければならないと思います。
今、安全教育は試行錯誤されながらなされています。しかし、私たちの研究結果では、場当たり的な対蹠的な教育では、子どもたちが実際に被害に遭った時に何もできなかったという子どもが5人に一人、防犯ブザーも最新の調査では1%の子どもしかならせていません。
発達段階に沿った、意図的系統的な教育が地道になされなければ、いつまでも子どもは安全基礎体力がついて行かないことは明らかです。
では、誰が、どこで、何を教えればよいのか。
それはもう答えが出ています。
まず何をどう教えるか、ですが、体験型安全教育をますますすすめていくことなのです。誰が教えるか。それは、現場の先生とともに、今、各地で勉強されている地域の防犯のプロ、そう、防犯ボランティアの皆さんなのです。
すでに、静岡県では、県の一大プロジェクトとして、防犯ボランティアの方々が学校に赴き、体験型安全教育を進めるプロジェクトが始まっています。
全国防犯協会連合会も、全国の防犯ボランティアを体験型安全教育の指導ができるよう、育成を始めています。
ともに、地域の子どもは地域で安全に育てること、地道ではありますが、大変重要なことです。次の事件が起きないよう、見守りと教育、早急に進めていく必要があると思います。(清永)